むかし地震

天災は忘れた頃にやって来ると申します。 忘れないように歴史資料に残っている昭和時代以前に起きた地震情報を配信します。あわせて天気記録、各地の満潮、二十四節気に関わる雑記も。

1896.6.15 明治の三陸大津浪

むかし地震 23回

6月15日は、今から23年前の1896(明治29)年6月15日に、明治の三陸大津浪がおきた日です。

 マグニチュード 8.3

 震源 北緯39度 東経144度(三陸沖太平洋海底)

 

三陸海岸に巨大な被害がありました。地震の揺れは大したことなく、大きな場所でもせいぜい震度3ていどでしかなかったことが、大津浪の被害を大きくしてしまいました。当時の人は、地震の揺れが小さいから津浪は無いと思ったようです。 夜だったこともあり、津浪が起こす重く低い海鳴りの音を、演習中の海軍軍艦の大砲の音だろうと誤認して、避難が遅れてしまったとも聞きます。

北海道から牡鹿半島に至る地域の海岸で避難しないでいた人々を、波高20から30メートルの巨大津波が不意に襲いました。津波は遠くハワイやカリフォルニアまで届きました。

 

亡くなった方 21,959人

家屋流失と全半壊 1万軒以上

 

この地震の後、昭和8年に昭和の三陸大津浪地震が発生しましたが、明治の災害の記憶が人々に強く生きていたため、巨大津浪にも関わらず、被害を少なくすることができました。

 

「天災は忘れた頃にやって来る」  地震を忘れず減災しましょう。

 

*この地震と被害の記録は、国立天文台『理科年表』平成20(2008)年版(丸善株式会社出版事業部)724ページから引用編集しました。 IMG_1692_Fotor.jpg